「おい管理人! 夜になるとネットが全然繋がらないぞ! なんとかしろ!」
マンションの管理人室には、定期的にこのようなクレームが舞い込みます。
在宅ワークや動画視聴が増えた昨今、特にこの手の相談(お叱り)が増えました。
お気持ちは痛いほど分かります。
しかし、現役管理人の立場から、あえて冷酷な事実をお伝えしなければなりません。
「管理人に言われても、どうすることもできません。構造上の限界です」
なぜマンションのネットは遅いのか。
そして、そのストレスから解放されるための「たった一つの自衛策」について、裏側の事情を包み隠さずお話しします。
なぜマンションのネットは「夜」に遅くなるのか?
理由はシンプルです。
マンションのインターネット設備(特に「光マンションタイプ」や「無料インターネット」)は、「1本の回線を全世帯でシェアしているから」です。
水道で例えるなら、親元の大元のバルブは1つなのに、全世帯が一斉に蛇口をひねっている状態です。
当然、一軒あたりの水圧(速度)は弱くなります。
「VDSL方式」という古い罠
さらに深刻なのが、築年数の経ったマンションに多い「VDSL方式」です。
これは、建物の入り口までは光ファイバーが来ているのに、そこから各部屋までは「昔ながらの電話線(メタルケーブル)」で配線している方式です。
- 光ファイバー:高速道路
- 電話線(VDSL):細い砂利道(最大速度100Mbpsが限界)
どんなに高性能なパソコンを使っても、道が砂利道ではスピードが出るはずがありません。
管理組合に「回線を増強して」と言っても無駄な理由
「なら、設備を新しくしてくれ!」と言いたくなりますよね。
しかし、これを実現するのは至難の業です。
- 総会での決議が必要(住民の過半数の賛成など)
- ネットを使わない高齢者世帯が「修繕積立金を使うな」と反対する
- 大規模な工事が必要になる
管理人として見てきましたが、この議案が通ることは稀です。
つまり、「待っていてもマンションのネット環境は良くならない」というのが現実です。
唯一の解決策は「戸建てプラン」を部屋まで引き込むこと
では、どうすればいいのか。
解決策は一つ。共有の回線に見切りをつけ、「自分専用の回線」を引くことです。
具体的には、マンションタイプではなく「戸建てプラン(ファミリータイプ)」を契約し、電柱から直接、あなたの部屋まで光ファイバーを引き込みます。
「勝手に工事していいの?」
「管理組合の許可がいるのでは?」と心配される方もいますが、最近はハードルが下がっています。
壁に穴を開けるような工事はNGが出やすいですが、最近の工法は「エアコンのダクト(配管)の隙間」から光ケーブルを通すため、建物を傷つけません。
これなら、管理人や管理会社に一言相談すれば「原状回復できるならOKですよ」と許可が出ることがほとんどです。
まとめ:共有部のストレスから脱出しよう
マンションの共有ネット回線にイライラするのは、満員電車に乗って「狭い!」と怒っているようなものです。
環境を変えるには、自分でタクシー(専用回線)に乗るしかありません。
幸い、今は「工事費実質無料」や「違約金還元」のキャンペーンが充実しています。
他の住人と帯域を奪い合う生活から抜け出し、自分だけの爆速環境を手に入れましょう。
私が実践した「最も損をしない乗り換え手順」については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼ 管理人が教える「自分専用回線」の引き方 ▼